生命科学研究における大容量データ解析の高速化について

研究成果が論文誌「サイエンス」に掲載

  • 2021年1月29日
  • キオクシア株式会社

当社は生命科学分野の研究向けにSSDを搭載したGPUクラスタと画像解析アルゴリズムを開発し、RNAシークエンシング技術に関する研究における大容量データ解析の高速化に貢献しました。本研究は米国マサチューセッツ工科大学メディアラボSynthetic Neurobiologyグループおよび当社を含む共同研究者により行われたもので、GPUクラスタを画像解析に活用することで得られた研究成果は、論文誌「サイエンス」に論文「Expansion Sequencing: Spatially Precise In Situ Transcriptomics in Intact Biological Systems」として掲載されました[注1]

このRNAシークエンシング技術は吸水ポリマーによって膨張させた試料を顕微鏡撮影した複数の画像を解析することで、組織の構造を維持したまま RNAの塩基配列を同定します。解析する画像は数テラバイトサイズの画像となるため、データ解析の高速化が必要となります。当社が開発したエンタープライズSSD(CMシリーズ)を搭載した GPU クラスタと画像解析アルゴリズムにより10テラバイトになる大きな試料でも、数日で解析することができ、ネズミの脳や人間の癌サンプルにおいてRNAの塩基配列に加えて RNAの組織内の位置を高解像度に特定できました。

当社は今後も大容量データ処理高速化の研究開発を進めると共に、イノベーションを促進する産学連携を強化し科学技術の発展に貢献してまいります。

当社とSynthetic Neurobiologyグループとの共同研究については当社Websiteで紹介しています。
https://www.kioxia.com/ja-jp/rd/collaboration/memory-topics01.html