HMB(Host Memory Buffer)技術開発とDRAMレスSSDの実現

2018年8月28日

近年ノートPCはますます薄型になり、搭載するSSDにも小型化・低価格化の要求が高まっています。しかし、部品数を減らすためにSSDのDRAMを取り除くと、データ読み書き性能が劣化してしまう問題がありました。この度、DRAMレス高性能ワンパッケージSSDを実現するためのHMB(Host Memory Buffer)技術を開発しました。

HMBはホストメモリ(DRAM)の一部をSSDが使えるようにする技術です。DRAMを搭載しないSSDでも、DRAMを搭載したSSDと同等の性能が得られます。実現にはホストドライバとSSDの連携が必要なので、初期化・接続手順(プロトコル)などを考案し、大手CPUベンダや大手OSベンダと協力、PCIe®SSDインターフェース標準規格であるNVMe™1.2*1への組み込みにも成功しました。

HMB技術を搭載したDRAMレス高性能ワンパッケージSSDは、当社のSSD事業部でBGシリーズとして製品化され、現在、コンシューマ向けSSDの主力製品の一つとなっています。今後も小型・低価格で高性能なSSDを実現する技術を、継続して開発していきます。

従来型SSD(左)と新しいHMB搭載SSD(右)との比較 (SSD上のDRAMを省略し、PCのメインメモリの一部をキャッシュとして利用)
  • PCIeは、PCI-SIGの登録商標です。
  • NVMeはNVM Express, Inc.の商標です。
  1. SSD向けに開発された通信インターフェース/プロトコル