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メモリ技術研究所
次世代不揮発性メモリのデバイス、回路の技術開発や、新規プロセス、次世代リソグラフィ技術の開発を行っています。新しい動作原理や構造などにも踏み込みながら、次世代SCM(ストレージ・クラス・メモリ)として注目される各種新規メモリや、新製品を実現し新市場を開拓するシステム技術開発、ソフトウェア技術の開発に取り組んでいます。また機械学習(Machine Learning)などの最先端デジタルトランスフォーメーション技術を研究し、システム基盤を構築、「スマートファクトリー」など⼯場への展開を推進していきます。
デバイス技術研究開発センター
最先端のメモリ製品を開発するためには、新規メモリセルの材料や構造の開発、周辺回路を駆動するトランジスタなどのデバイスの開発、それらを全体として半導体ウエハ上に実現するインテグレーション技術、回路設計技術、TCAD技術などが必要です。
デバイス技術研究開発センターでは、それらの新規技術を開発するとともに、それらを駆使して、さらなる大容量化を実現する次世代ファイルメモリ、ストレージクラスメモリなどの新規不揮発性メモリの開発、シミュレーションプログラムの開発と実デバイスへの応用、今までにない新しいメモリのコンセプトを作りあげ、そのコンセプトを反映したメモリ回路設計技術の研究と新規メモリのプロトタイプ設計、10年先を見据えた新しい概念や新しい物理現象に基づく未だ誰も見たことのないメモリの基礎的な材料・構造などの研究開発などを行っています。
デバイス技術研究開発センターの先端技術トピックス
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垂直磁化型磁気トンネル接合(MTJ)をメモリセルとして利用したスピン注入磁化スイッチ型磁気メモリ(STT-MRAM)は、大容量かつ低コストな高速不揮発性メモリの有望な候補として注目を集めています。我々は、複数の磁性層を組み合わせることで高速書き込み(5ns)と長時間情報保持(>10年)を両立する、14nm世代STT-MRAM向けMTJ技術(AccelHR-MTJ: Accelerated STT-Switching and High-Retention MTJ)を提案し、実証しました。この成果はIEDM2023で発表されました。
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次世代磁気メモリ技術として注目されているスピン軌道トルク磁化反転において、垂直磁化磁性体ナノドットにおける印加磁界依存性を調べ、斜め磁界印加が垂直磁化スピン軌道トルク磁化反転を高速かつ安定にすることを明らかにしました。この成果は国際学会SSDM2023で発表されました。
プロセス技術研究開発センター
最先端の半導体デバイスを作成するためには、最先端の化学、物理を駆使した製造工程を何度も繰り返す必要があります。
プロセス技術研究開発センターでは、次世代メモリに必要な新規材料の成膜技術、NGL(Next-generation lithography=次世代リソグラフィ)などの新規パターニング技術およびマスク技術、新規材料や深い穴や複雑な形状をエッチングするDryおよびWetのエッチング技術、高速メモリに必要な低抵抗金属配線技術、新材料や新構造に対する分析解析技術・検査計測技術やそれらの量産化を実現するための生産技術の研究開発や最先端デバイスの試作などを行っています。
新規プロセスによるメモリ技術のコアコンピタンスを確立することにより、価値ある基盤プロセス技術の創出、メモリ製品の競争力を高めるプロセス技術の創出、プロセス技術の横展開と深耕を行い、量産技術部、量産工場への技術移管を目指しています。
プロセス技術研究開発センターの先端技術トピックス
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ナノインプリントリソグラフィ(NIL)を用い、その特徴の一つである3Dパターニングの検討を行いました。レジスト材、テンプレート構造、NIL条件、エッチング条件をそれぞれ最適化することで、L/S=4X/4Xnmのサイズの3Dデュアルダマシン構造の形成に成功しました。
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UVナノインプリントリソグラフィのプロセスマージンを向上させるために、NILアライメントマーク設計ルールとウェハートポグラフィーに応じたパターンカバレッジルールという2つの設計制約を提案導入した。
システム技術研究開発センター
情報爆発にともない、膨大なデータを扱うデータセントリックなコンピュータシステムへの革新が必要とされています。
システム技術研究開発センターでは、新しいアプリケーションやマーケットを意識しながら、ストレージシステムを用いたストレージコンピューティングやニアメモリコンピューティングなどの最先端のコンピューティングや情報処理まで視野に入れた、ソフトウェア、ハードウェア、システム技術の研究開発を行っています。システム視点から「メモリを使いこなす技術」の研究開発を推進し、付加価値の高い次世代のメモリを活用したストレージシステムメモリシステム関連の基盤技術の研究開発も進めており、メモリ設計や製造などの最適化・効率化を支援するAI機械学習の応用技術、ディープラーニングHW技術、機器間を超高速で接続するインターフェース技術、人工知能の技術などにも力を入れています。
システム技術研究開発センターの先端技術トピックス
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GPUの外部メモリとしてCompute Express Link™(CXL)の適用可能性を検討した結果、重要な指標のひとつであるグラフ処理において、数マイクロ秒のCXLメモリはホストDRAMと同程度の速度を達成できることを示しました。このことから、DRAMを低レイテンシフラッシュで置き換えることで、コストパフォーマンスの高いシステムを実現できる可能性があります。
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SSDを活用した高速な顕微鏡画像処理技術を開発しています。その成果の1つである、顕微鏡動画から神経細胞の電位を実時間で抽出する技術を国際学会BIBM 2023で発表しました。
デジタルトランスフォーメーション技術研究開発センター
デジタルトランスフォーメーション技術研究開発センターは、機械学習(Machine Learning)、情報工学(インフォマティクス)、知識情報処理などのデジタル技術の研究、およびクラウド、ビッグデータ、IoTなどのデジタルツイン技術の研究・開発・展開に取り組んでいます。また、これらの基礎技術を、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」を開発するためのデバイス・プロセス・回路の「パラメータ最適化」や「仮想試作」、開発初期段階から素子の特性を解明するための「少量データ解析」や「因果要因解析」へと展開しています。さらに、フラッシュメモリの世界的需要に応えるため、これらの技術を工場内での徹底的な「歩留り解析」や「品質管理」、製造現場に適応する「装置管理」や「自動生産」などの実用技術へと高め、飛躍的な生産性向上を実現するスマートファクトリーを目指していきます。
デジタルトランスフォーメーション技術研究開発センターの先端技術トピックス
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半導体デバイスの製造工程では微細な異常を高精度に検出することが求められます。私たちは従来の画像処理技術だけではなく、機械学習を活用した新しい検査技術の開発に取り組んでいます。
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当社のフラッシュメモリ生産では、高い品質を維持するために、1日20億件以上のデータを製造装置や搬送システムからリアルタイムに収集しています。その膨大なデータを用いて、複雑な要因分析を素早く実現しています。